とある家との出会いから毎週のように中村へと足を運び続けている。すっかり家の住人とも顔馴染みになってしまった。
特に用事がある訳でもなく、たわいも無い話をする為だけに、自然と足が中村の街へと向いてしまう。
しかし、いつの日も玄関を開けた瞬間だけは、普段では味わう事のない特殊な空気と匂いを感じる事が出来る。
この空気感を言葉で伝える事は難しく、それが一体何なのかはわからない . . . . 。
ある日の事、思いも寄らぬ一言が主人から告げられた
「部屋をひとつ自由に使っていいよ。」
なかなかこの街に入り込む事さえ出来なかった事を考えると、それはあまりにも急展開すぎる出来事であった。
(つづく)
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