この趣味を始めるきっかけとなった街 '' 中村 ''
かの吉原をも凌ぐ全国屈指の大遊廓がそこにあった
建物のひとつひとつがあまりに巨大に見え、なかなかそこに入り込む勇気が出ない
何度も通っては、かつての残像を僕らは追い求めていた
ある日ようやく決心がつき、とある家の扉を開けてみた
そこに広がる景色はまさしく遊廓そのものであった
大げさな表現かもしれないが、映画で見たそれそのものである
役目を終えた客室、帳場、ホールは当時のまま取り残され、随所に施された装飾は輝きを失い、哀愁すら感じる
何度もその家に通いつめるうち、いつの間にか深い付き合いへと発展した
ここの家もあと数年たてば取り壊すという
残された僅かな時間で何か出来ないか、何かを残せないかと思っている
とりあえず、大掃除でもしてみよう
かつての輝きが少しでも取り戻せるかもしれない
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